浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ミュンシュのラモーなんていふのも素晴らしいですね!

2007年08月31日 | 指揮者
ラモーの歌劇「ダルダーニュス」からの数曲を管絃樂組曲にアレンジした作品をミュンシュの指揮で聴いてゐる。ダルダーニュスはジュピターとエレクトラの間にできた子供といふことで、題材は希臘神話になる。編曲はルーセルの手によるもので、この作品自体が珍しい。ミュンシュがシカゴ響を振った演奏會の録音を収めた海賊盤だ。

ミュンシュのバロック音楽はブランデンブルグ協奏曲で聴き親しんでゐたが、オーケストラの編成はやや大きいものの、メンゲルベルク、フルトヴェングラーやクナパーツブッシュのやうな時代がかった表現ではなく、現代のスタイルにも通じる演奏だった。このLPアルバムも震災後、行方が分からないままになっており、店頭に出回るのを待ってゐる。

ところで、この作品も演奏もともになかなか美しい。シカゴ響の弦楽セクションの美しさは特に第2曲目が際立ってゐる。第3曲では2本のオーボエとファゴットの為の協奏曲といった編曲になってゐるが、これがまた精緻なアンサンブルで実に美しい。録音も海賊盤にしては悪くない。

終曲は躍動的な絃の刻みに乗って提琴と木管が掛け合うが、まるで4つの楽章を持ったコンチェルトグロッソである。ミュンシュは、このやうな作品を取り上げるだけでなく、実にお洒落に演奏してみせる。この海賊盤からは、こういったミュンシュの意外な一面を知ることができる。

盤は、Three"0"Classicsといふ海賊盤CDR TH094、1963年2月のライブ録音。


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