浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ストコフスキーを真面目に聴いてみる フランクの編曲作品2つ

2007年08月21日 | 指揮者
芸能界で活躍した指揮者ストコフスキーがフランクのアレンジものを2つ取り上げている。一つはオルガンの為の6つの小品からアンダンテ、そして有名な「天子の糧」の2曲である。オルガン作品のアレンジはRCAビクターのプロデューサー、チャールズ・オコーネルの手によるものだ。

「天使の糧」は聖体拝領のところで歌われるテノール独唱の美しい作品で、その歌詞は「天使の糧は私たちのパンとなった。感嘆すべきことよ、貧しい者、僕(しもべ)、卑しい者が主を食しまつるとは!」といふ内容である。つまりは、貧しい者や家来達は卑しい存在であり、そもそもパンなどを口にすることはないといふ差別的な発想が根底にある。そして慈悲深い主は、自分の身、主の肉であるパンを分け与え給うた、といふお話である。ここまで書けば理解の早い方はお分かりだらうが、これはアンパンマンのお話なのだ。そうなのだ、アンパンマンとはアニメの世界のキリストだったのだ。

非常に美しいフランクの旋律に心が洗われる。ストコフスキーもときにはいい仕事をしてゐたやうである。

盤は、英國BiddulphによるSPッ復刻CD WHL011。


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