浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

30年ぶりに訪れた懐かしい場所のこと

2007年08月16日 | 指揮者
先週、ブリッジのワルツを聴いてゐて、ふと京都の喫茶ソワレに行ってみたくなった。盆休みで神戸に帰った僕は、嫁さんを連れて(正確に言ふと「連れられて」)京都四条は木屋町通に足を延ばした。蒼い灯りに東郷青児の絵画が映える店内の様子は30年前と何ひとつ変わってゐなかった。 . . . 本文を読む

「狂人」の音楽を狂ったやうに弾くギーゼキング

2007年08月10日 | 洋琴弾き
狂人とは精神が正常ではない人間のことだが、正常でないといふ判断を下すのはやはり人間であり、誤診もあれば本人の都合により意図的にそうする場合もある。また、周囲の凡庸さにより天才を見抜けぬ場合にも狂人扱ひは起こり得る。さて、シューマンの場合は、実際に精神病を患ったのであるが、その作品を狂気の沙汰と扱ってよいものか。 . . . 本文を読む

セシルの誘惑 第3弾 クライスラー編曲によるセレナード・エスパニョーレ

2007年08月09日 | 忘れられた作品作曲家
出張の為、またまた携帯電話がレコヲド鑑賞のツールだった僕は、久々に自宅でゆっくり音楽を聴いてゐる。体も頭も疲れのピークにあったせいか自然とセシル・シャミナードに癒しを求めたのだった。それも長い作品は要らない、それくらい僕は疲れてゐる。 . . . 本文を読む

フランク・ブリッジのワルツ 知らなければ幸せが一つ足りない名曲

2007年08月05日 | 忘れられた作品作曲家
この美しいワルツを知らない人は幸せが一つ足りない。忘れ去られた英國の作曲家、フランク・ブリッジの2つの小品からワルツ~間奏曲ホ短調は1902年に完成された弦楽四重奏用の小品のやうだ。今日は弦楽オーケストラに編曲された演奏で聴いてゐる。 . . . 本文を読む

ショパン直系のミハウォフスキによる驚愕のポロネーズ

2007年08月04日 | 洋琴弾き
【前々回と前回のあらすじ】 芋焼酎と音楽の旅7日間を楽しんだ僕は、バニーちゃんを連れて帰宅したが、その後、慢性脳不全が悪化し原稿が書けなくなった。唯一の救いはミハウォフスキのショパン演奏を存分に楽しむことができたことだった。子犬のワルツは、はしゃぎすぎて足が縺れどこかへ転がって行ってしまふ子犬の様子が瞼に浮かぶほどの名演奏であった。 . . . 本文を読む

アレクサンダー・ミハウォフスキの子犬のワルツ

2007年08月03日 | 洋琴弾き
【前回のあらすじ】 長い研修の旅の間、芋焼酎「はちまん」と、パッハマンやミハウォフスキのショパンが友達だった僕は、バニーちゃんを連れて帰って来た。アルチュウハイマーが進み、7日間の旅の記憶は無残にも消えて無くなったが、収穫は、ショパン演奏の原点ともいふべきアレクサンダー・ミハウォフスキの演奏を存分に味わうことができた点にある。 . . . 本文を読む