【前回のあらすじ】仕事一筋の僕は、盆休みを返上して旅に出た。ブリッジ作曲のワルツを聴いて、どうしても行ってみたくなった懐かしい場所は、昔と何一つ変わってゐなかった。 . . . 本文を読む
先週、ブリッジのワルツを聴いてゐて、ふと京都の喫茶ソワレに行ってみたくなった。盆休みで神戸に帰った僕は、嫁さんを連れて(正確に言ふと「連れられて」)京都四条は木屋町通に足を延ばした。蒼い灯りに東郷青児の絵画が映える店内の様子は30年前と何ひとつ変わってゐなかった。 . . . 本文を読む
狂人とは精神が正常ではない人間のことだが、正常でないといふ判断を下すのはやはり人間であり、誤診もあれば本人の都合により意図的にそうする場合もある。また、周囲の凡庸さにより天才を見抜けぬ場合にも狂人扱ひは起こり得る。さて、シューマンの場合は、実際に精神病を患ったのであるが、その作品を狂気の沙汰と扱ってよいものか。 . . . 本文を読む
出張の為、またまた携帯電話がレコヲド鑑賞のツールだった僕は、久々に自宅でゆっくり音楽を聴いてゐる。体も頭も疲れのピークにあったせいか自然とセシル・シャミナードに癒しを求めたのだった。それも長い作品は要らない、それくらい僕は疲れてゐる。 . . . 本文を読む
この美しいワルツを知らない人は幸せが一つ足りない。忘れ去られた英國の作曲家、フランク・ブリッジの2つの小品からワルツ~間奏曲ホ短調は1902年に完成された弦楽四重奏用の小品のやうだ。今日は弦楽オーケストラに編曲された演奏で聴いてゐる。 . . . 本文を読む
【以前のあらすじ】
7日間世界1周小旅行で脳不全を悪化させたバニーちゃんはパブロフ博士とともに帰宅した。子犬にベルを鳴らせて餌をやるのを10年以上続けたら犬が死んだといふパブロフの実験は有名である。 . . . 本文を読む
【前回までのあらすじ】
7日間世界1周の旅を終えたバニーちゃんは、子犬を連れて帰って来た。パブロフ博士はこの子犬にベルを鳴らして餌を与える実験をした結果、ベルを鳴らすと反射的にパブロフ博士が子犬に餌を与えるやうになった。 . . . 本文を読む
昔、よく聴いたLPにミュンシュの「スコットランド交響曲」があった。余白には八重奏曲よりスケルッツォが入ってゐたが、これも名演だった。実家全壊のため行方の分からなくなった数々の宝物の中の1枚だった。 . . . 本文を読む
【前々回と前回のあらすじ】
芋焼酎と音楽の旅7日間を楽しんだ僕は、バニーちゃんを連れて帰宅したが、その後、慢性脳不全が悪化し原稿が書けなくなった。唯一の救いはミハウォフスキのショパン演奏を存分に楽しむことができたことだった。子犬のワルツは、はしゃぎすぎて足が縺れどこかへ転がって行ってしまふ子犬の様子が瞼に浮かぶほどの名演奏であった。 . . . 本文を読む
【前回のあらすじ】
長い研修の旅の間、芋焼酎「はちまん」と、パッハマンやミハウォフスキのショパンが友達だった僕は、バニーちゃんを連れて帰って来た。アルチュウハイマーが進み、7日間の旅の記憶は無残にも消えて無くなったが、収穫は、ショパン演奏の原点ともいふべきアレクサンダー・ミハウォフスキの演奏を存分に味わうことができた点にある。 . . . 本文を読む
長旅から帰って来た。ほっと一息つきたいところだが、兎さんがやって来る。2週前に続いて遠来の客人だ。兎さんはなかなか元気そうだ。兎さんに暴れられると我が家は持ちこたえることができないかも知れない。少々不安だ。 . . . 本文を読む