浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ネリー・メルバ フェアウェル・コンサートのライブ

2006年07月30日 | 歌もの
ネリー・メルバとの出会いは、大学生の頃に購入した米國のOPUSレコードの海賊盤風LPに収められていたフェアウェルコンサートだった。

1926年と云へば電気吹き込みに入って間もない時期だ。メルバ自身はらっぱ吹き込み時代の大歌手だが、これが最後の録音の一つである。声楽家としては年令的に限界だったのか。そうとも知らずに購入して、メルバの可憐な声にわくわくしたものだ。

それ以来、メルバの歌う「カミンスルーザライ」の独特のリズムや声色が忘れられず、現代では聴くことは不可能と思はれるやうな歌いまわしの虜となってしまったのだ。

フェアウェルコンサートといふくらいだから当然、ライブ録音である。1926年にライブを録音するといふこと自体、大変なイベントだと思ふ。フルトヴェングラーの1926年のライブが聴けないのに、メルバのコンサートが聴けるわけであるから、当時のメルバのお別れに際する扱いの大きさがいかほどのものだったかが推測できる。

盤は、米國OPUSのLP盤 OPUS84。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。