浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

デイヴィッド・ホッホシュタインのエマーソンレコード

2006年07月31日 | 提琴弾き
今日は仕事で東京へ出かけていた。東京摩天楼の最上階に居る叔父が昼食に誘ってくれた。皇居二重橋を見おろす東京會舘で久しぶりに叔母と会い、祖母の白寿を祝う会の打ち合わせをすれば、自然と昔話に花が咲く。ケネディ時代に住んだロチェスターの話などしながら楽しいひと時を過ごした。

東京から帰る車中はロチェスターのことを思い出しながらうとうととしていた。
ロチェスターと云へばコダック本社、米國の一流ブランド、ヒッキー・フリーマン、音楽ではイーストマンの吹奏楽とロチェスターフィルハーモニー、そして、夭折の天才提琴家、デイヴィッド・ホッホシュタインの生まれた街だ。

ホッホシュタインはアウアーの米國での最初の弟子で19歳で倫敦ビューを果たしたが、第1次大戦中に26歳で世を去った。残されたエマーソンレコードの貧しい音から2曲を聴くことしかできない。そのうちの一つ、ブラームスのワルツは独特の歌い方で他に類を見ないものだ。また、クライスラーの「愛の哀しみ」も実に上品で、情緒溢れる名演である。しかし、いずれも1916年の録音で、よほど修練された耳でなければ音楽を楽しむことは難しい。もっと多くの作品を聴かせてほしかったものだ。

今晩は、ロチェスター時代の想い出の夢を見続けていたい、そんな気分だ。

盤は、英國Appian P&R社の復刻CD CDAPR7017。


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