浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ワインガルトナーのベートーヴェン交響曲第2番

2009年11月15日 | 指揮者
ワインガルトナーは作曲家としても多くの仕事をした人だが、其のことはすでに忘れ去られてしまった。ベートーヴェンの交響曲全曲をSP時代に録音し、戦前に来朝した大指揮者である。購入したまま放置してゐたCDアルバムを取り出して来た。

ワインガルトナーの全集の一部を倫敦で録音したのは商売上の理由からだらうが、これが良くなかったやうだ。どうも此の倫敦交響樂團といふ団体は音楽的に貧相で好きになれない。第1楽章の金管の狂ったやうな強音はバランスを欠くこと甚だしい。絃樂器のアンサンブルも大したことは無い。これなら当時の我が國の演奏水準と変わらないのではないかと思ふくらいだ。

此のCDは復刻もよろしくない。別の復刻ならもっとしとやかに聴こえるといふこともあるのかも知れない。また、此れが維納フィルハーモニーとの演奏なら、と思ふところも多々あり残念だ。あまりお勧めできないCDだ。

盤は、伊太利亜のMemoriesによるSP復刻CD MR2028/34。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。