浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

サバータの「魔法使いの弟子」

2009年11月14日 | 指揮者
子供の頃からトスカニーニのレコヲドで聴きなじんだ名曲「魔法使いの弟子」はよくできた作品であり、いつ聴いても新たな感動を得る不思議な作品の一つである。今日はサバータの演奏を初めて愉しんだ。

描写的な面でも、対位法的にも、演奏効果面でも、至る処に聴きどころのある実によく考え抜かれた作品だ。だから演奏する側もそれだけ見せ場が沢山或るといふことになる。

サバータの此の演奏は1950年頃のライブ録音で音楽の進行はさすがにラテン系で熱っぽい。音の整理もすっきりとしてゐて分かりやすい。対位法的な絡みは明確に聞き取れず残念な部分もあったが、この作品全体を聴いた満足感は大きい。

紐育フィルハーモニック交響團も珍しく色艶の或る整った演奏を聴かせてくれる。この時代はワルターとの不毛の時代だったと聞いてゐたが、決してワルターの頭に毛が無かった訳ではなかった。指揮者によってこうも違った音色が出るものか。

盤は、伊太利亜OriginalsによるリマスタリングCD SH821。


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