浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ハンス・プフィッツナー/伯林フィルによるベートーヴェン第3番

2007年09月12日 | 指揮者
プフィッツナーのベートーヴェンは3度目だっただらうか。今宵は、1929年に伯林フィルハーモニーと録音した英雄交響曲の封を切った。初めて聴く演奏で、自然と背筋が伸びる。

フルトヴェングラー時代の伯林フィルを聴くときには、いつも敬意を払って真空管アンプとジーメンスのフルレンジスピーカーを繋ぐことにしてゐる。そして、部屋の照明を最大限落とすのが常だ。指揮台に立つのはフルトヴェングラーが高く評価した作曲家プフィッツナーで、指揮者としても重厚な響きを生み出す独逸伝統の継承者と云われてゐる。一部だけを取り出せば、フルトヴェングラーの演奏として通用するのではないか、と思ふほどこの演奏からは強いメッセージが発せられてゐるやうに感じる。

リタルダンドによる終止感を多用し過ぎてゐて少々嫌味に感じるところがあることと、冒頭で何故か不協和音が鳴り響く点が解せぬが、この演奏は僕としてはお気に入りの部類に入る。なんと言ってもこの響きが良いのだ。前にも書いたが、伯林フィルの1937年以前のレコヲドは全て蒐集したいと思ってゐるのだ。

盤は、独逸NaxosによるSP復刻CD 8.。


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