浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

伊福部昭の「タプカーラ交響曲」

2009年03月30日 | 日本國の作品
寂しさを紛らす為に手当たり次第に音楽を聴きあさってゐたが、Z共和国で過ごす日々が数日続くと不意に日本國の作品を聴きたくなった。そこで、元気の出る伊福部昭の「タプカーラ交響曲」を聴こうとCDを探したが見当たらない。どうしても見当たらないので、PC内に保管してあったMP3で聴いてゐる。

交響曲とは名ばかりで、3楽章形式の映画音楽組曲のやうな管絃樂作品であるが、ゴジラの映画音楽として作曲されたものではない。終楽章だけがアンコールピースとして人気を呼んでゐるやうだが、その理由は一度聞けばすぐに分かる。途中、木管楽器によってゴジラのテーマがちょっとアレンジされて登場するが、何度も言ふが決してゴジラの為に作られた音楽だから人気があるのではない。

思い付く理由は、絃楽器群が同じことを何度も繰り返すだけで練習が不要であること、大きな音量を打楽器と金管楽器に任せておくと格好がつくこと、間違っても何が正しいのかが聴き手に分からないこと、などである。次に聴衆受けすることが挙げられるだらう。聴衆の中でもオランウータンやブラバンド(乳あてのことではない)の類は大きな音を出してやりさへすれば、すぐに興奮して「ブラヴォー」を連呼するからだ。中には「ブラヴォー」に混じって「ダボー!」と叫んでゐる輩も居るが、大概は大阪ブーイング協会の会員の仕業だらうと思ふ。

元気付けの為に聴いた曲によって、余計に虚しさを強く感じるはめになってしまった。そう言へば、この曲のCD盤はメンスラ・ゾイリの測定結果が非常に低い数値だった為、入国審査のときに破棄されたのだった。探しても見当たらないはずだ。

響-伊福部昭 交響楽の世界
日本フィルハーモニー交響楽団
キングレコード

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1 コメント

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名曲 (オラヌータン)
2009-04-04 15:16:17
この曲は名曲です。
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