浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

黛敏郎の曼荼羅交響曲

2008年03月25日 | 日本國の作品
昔、題名のない音楽會の公開録画を観に行ったことがあった。司会は、音響研究家の黛敏郎だ。当日はシュトラウスの「常動曲」をやってゐたやうに記憶してゐる。「雲に乗りたい」で有名な黛ジュンの兄は作曲家で、黛敏郎とはなんの関係も無い。

不快な音を出す作品を数多く発表した黛だが、その作風はコンクリートに例えてミュージック・コンクリートと呼ばれるやうになった。また、現金前払いで好きな時に弾くことのできるカード式ピアノも発明し、これはプリペイド・ピアノとして人気がある。

今日は、仕事もなく暇に弄ばれてゐるので、自分に渇を入れる為に黛作品を取り上げた。仏教の悟りを視覚的に表した曼荼羅を音響で表現しやうとしたのが今鳴ってゐる「マンダラ交響曲」である。この後、黛は生活の糧にと日活映画音楽なども手掛けた。黛ジュンも歌手としての行き詰まり感から裸一貫で日活浪漫ポルノに出演したが、何度も言ふけれども、この二人はなんの関係も無い。

マンダラ交響曲は、僕にとっては心地良い音楽ではなく、これを16分間聴くことは一種の修行のやうなものだった。

岩城宏之指揮日本放送協会交響爆弾による演奏は、DENONのCD COCO70506で聴くことができるが、冷水を浴びて座禅を組んで聴かれることをお勧めする。写真はマン○ラ大統領。


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