浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

スタインバーグ&ピッツバーグ響の「ロマンティック交響曲」

2009年03月29日 | 指揮者
スタインバーグは、独逸から米國に渡ったユダヤ系の指揮者で、米國に行かなければもっと独逸音楽の中心で活躍できた人ではなかっただらうかと残念に思ふ。ブルックナーの「ロマンティック」交響曲をレーヴェ版で演奏したキャピトルのLP盤で聴いてゐる。

学生の頃、大阪フェスティバルホールにピッツバーグ響を連れて来た記憶がある。しかし、独奏者として招聘したチョン・キョンファの方が騒がれてゐて、スタインバーグは当時から忘れ去られた指揮者だったやうな記憶もある。

ピッツバーグ響のブルックナーは明るい管楽器の響きや美しい音色など、ブルックナーがとても身近に感じられるやうな演奏なのだが、あっさりとフレーズを歌いきってしまったりされると、なんか「今ふたつ」といふ印象を持ってしまふのだ。

金管楽器の全奏などは亜米利加的なとても明るく健康的なサウンドで、そのまま続けて「星条旗よ、永遠なれ」を吹いてもらいたいと思ふくらいだ。

渋みやあくをきれいに取り除いてブルックナーの長大な交響曲をオランウータンでも退屈せずに聴かせてくれるレコヲドだ。

盤は、米國CapitolのLP P8352。


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