浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

1928年伯林フィルハーモニーによるブルックナー第7交響曲

2008年09月23日 | 指揮者
1920年代になって、やうやく大管弦團の作品もレコヲドに録音しやうとする動きが起こり、音楽史上例のない宇宙的なスケールを持つブルックナーの交響的作品も取り上げられるやうになる。

1924年のオスカー・フリートによる機械吹き込みの第7交響曲は、その録音自体が画期的なことなのだが、今日のレコヲドはそれから4年後、1928年の電気吹き込みの第7交響曲である。オーケストラはフルトヴェングラーが常任となって数年経った伯林フィルハーモニーである。1930年代に入ると0番から3番までの交響曲からスケルツォ楽章がツァウン等によってレコヲド化され、その後カール・ベームの第4と第5交響曲、1938年のハウゼッガーによる第9などが続いて録音される。

今日は朝から1928年の伯林フィルの演奏を楽しんでゐたが、どうもこの指揮者のバトンテクニックは怪しい。第3楽章では、弦楽アンサンブルに金管が乗り遅れ、今度は金管が流れに乗ったところで弦楽群がきちんと入ってこない。管弦團は素晴らしく良い音を響かせてくれてゐるのだが、少々イライラ感がつのる。結局僕にはよく分からない雑然とした演奏を聴きつつも、伯林フィルの重厚な響きだけは大変心地よい。

演奏は、ポパイノ・スキーナ・ホーレンシュタイン指揮伯林フィルハーモニー管弦團、ホーレンシュタインはこの翌年、フルトヴェングラーの推薦を受けてデュッセルドルフ歌劇場の監督になるが、1933年にはナチから逃れ巴里に移ってしまふ。

今日の音源は、墺太利Kochによるリマスタリング・カセットテープ 2-7022-4。
CDでは、下のとおりポリドールから発売されてゐる。
ブルックナー:交響曲第7番
ホーレンシュタイン(ヤッシャ)
ポリドール

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