浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

ショスタコーヴィッチのらっぱと洋琴の為の協奏曲 プレヴィン&バーンスタイン

2009年11月21日 | もう一つの顔
アンドレ・プレヴィンは洋琴弾きとして腕前は確かであり、某CD会社の20世紀のピアニストシリーズの中に一員として加えられてゐるくらいだ。僕自身は洋琴家としてプレヴィンを聴くことの方が多かったやうな気がする。今日もプレヴィンが独奏をつとめ、バーンスタインが指揮を執るユニークな顔合わせによるレコヲドを聴いてゐる。

この曲の愉しみ方には色々とある。
 ①らっぱと洋琴の絡み合いを愉しむ
 ②洋琴の超絶技巧を愉しむ
 ③体制への作曲者の皮肉を探す
など、音楽的な聴き方以外には、
 ④第3楽章を鳴らしながらスクワット体操をする
 ⑤第1楽章を鳴らしながら中国語で歌詞を付けて歌う
などがよく行われてゐる。

僕は今週も長い出張で音楽を聴くのは久々なので、②の聴き方を中心に、時折④を交えて愉しんだ。

プレヴィンの洋琴は幾分軽い目でお疲れの方にはカペル盤よりもお勧めできる。ただし、バーンスタインの語り口とかプレヴィンのお茶目なジャズ風アゴーギグなどを考えると、もう少しどっしりとした幅の或る音色やタッチであってほしかったと思ふ。

この作品で第2楽章がこれほど美しいと感じたのは初めてである。プレヴィンのテクニックも見事だが、此の人は意外に上品なのに驚いた。上品さなら第2番の協奏曲の方が合ってゐたかも知れない。このCDには第2番はバーンスタイン自信の洋琴で収められてゐて、こちらはプレヴィンよりは野太いタッチで聴かせてくれる。

このレコヲドは國内では昭和38年に日本コロムビアからOS277として登場してゐる。

和蘭CBSのリマスタリングCD MPK44850。


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