浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

アーベントロート R.シュトラウスの「ドン・キ・ホーテ」

2009年11月22日 | 指揮者
30年以上前に購入したまま一度も聴いてゐないLPレコヲドも幾つか在る。今日は徳間音工によるアーベントロートの芸術(全19巻)の中から「ドン・キ・ホーテ」を取り出して聴いてゐる。

当時の伯林放送交響樂團の演奏技術は高く、R.シュトラウスの複雑なオーケストレーションも大変分かりやすく見事に表現してゐて、危なっかしいところや怪しいところは一つしか無い。独奏ヴィオラのヘルマン・ヴィルケがしっかりとした音程で弾いてくれてゐないことを責めてゐるわけではない。物語性の強い作品を描写的に表現するには、各奏者の技術水準は高くなければならない。

後半の深刻な場面では重厚な雰囲気に好い印象を持ったが、もう少しお茶目に表現してほしい部分も沢山在る。テンポ設定と変化についても、もっとこなれた表現を期待してゐたので少し残念だ。

盤は、国内徳間音工によるLP盤 ET1515。


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