浪漫亭随想録「SPレコードの60年」

主に20世紀前半に活躍した演奏家の名演等を掘り起こし、現代に伝える

スヴェトラーノフ自作自演 提琴と管絃の為の詩曲

2011年04月16日 | もう一つの顔
露西亜の作曲家、スヴェトラーノフの自作自演を愉しんでゐる。提琴独奏はオイストラフの息子である。此れを聴いた人は皆、20世紀の真っ只中に露西亜土着の浪漫派音楽を創り続けた、其の精神に驚かされるに違いない。

スヴェトラーノフについては、洋琴弾きとしてメトネルの録音を過去に紹介したことがあったが、多くの名作を残した作曲家である。プロコフィエフやショスタコーヴィッチによって露西亜近代の音楽は、何か冷たさを感じるイメージが付きまとうが、一昔前まではリャードフやラフマニノフ、ミヤコフスキーといった甘く切ない音楽が主流だった。そういった二世代前のロマンティシズムを更に濃厚に歌い上げた音楽と云えばお分かりいただけるだらうか・・・よくぞ、20世紀後半にこのやうな作品を世に送り出せたものだと驚嘆させられる。

曲想は非常に親しみやすく、此の作品を聴いて露西亜ものだと分からない人は居ないだらう。なかなか活躍しない提琴の独奏だが、中間部に延々5分間に及ぶ無伴奏の独奏がある。ダヴィッド・オイストラフの思い出を歌ったものだそうだ。今日聴いてゐる自作自演盤では息子イーゴリがそれを演奏してゐるのだ。

盤は、露西亜のVeneziaのCD CDVE44003。

スヴェトラーノフの自作自演などCD10枚組が入手可能である。
スヴェトラーノフ・エディション(10枚組)
クリエーター情報なし
Brilliant Classics


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