Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

ノーカントリー

2008-05-27 11:17:11 | 映画
今回はアカデミー賞を受賞した作品「ノーカントリー」について。コーエン兄弟の作品なので、ヒトくせもフタくせもあるんじゃないかなって思って観にいったのですが、一貫していたのは「世の不条理」という概念。それを殺人者と追われる者、殺人者を捕まえようとする警察との関係を通じて描いています。
ストーリーは、ドラッグからみで殺しあって全員死亡した(本当は一人生きているのですが)現場を偶然見つけた男がそこにあった大金を持って逃げます。それを追う組織から雇われた殺人者が、執拗に殺しをかさねながら追い詰め、またその殺人者を追う保安官も事件を解決しようとしますが・・・

音楽など一切なしで、どこかドキュメンタリー的な映像。殺人者を演じるハビエルバルデムもあの独特な髪型で、存在感たっぷりだし。僕は好きな映画ですが、ラストがはっきりしないので、「これで終わり?」って感じになります。これに違和感が出る方もいるかもしれませんね。でも「世の不条理」ってこんな形で見せられると「そんなもんか~」って妙に納得してしまうあたり、コーエン兄弟のうまさかもしれません。どんなにまっとうに生きていても殺されてしまうし、悪いことをしていたとしても、生き延びてしまうし・・・。でも生き延びたとしてもその後の人生は全く変ってしまうのだけれど。


「今をしっかり生きる。」ことの重要さ。これがこの映画を観終わってじわじわ感じてくる感想です。

全員にオススメするわけではないですが、興味がある方はご覧になってみてください。