Unseasonable Shore

映画の感想を中心に、普通の生活をおくる30代ゲイの日々感じるできごと。

木曜組曲

2006-08-04 18:19:01 | 映画
今回は日本映画で気に入っている作品のお話です。タイトルを木曜組曲といいます。これは5年くらい前の作品ですが、とてもよくできています。ちょっと内容を・・・。浅丘ルリコ演じる女流作家が自殺してから3年、その弟子3人と、今は亡くなった作家の家に住む当時の編集者の4人の女性達は毎年命日になると、家に集まり、個人をしのぶ3日間を過ごしてきました。今年も集まったのですが、そこに豪華な花束が届きます。差出人は不明ですが、そこにメッセージが残っていて「あの作家は殺された。お前らのなかに犯人がいる」というもの。そこから真実がしだいにわかっていくのですが・・・。というほとんどその家の中で物語が進行していく密室劇です。登場人物も少ないです。
この作品、あまり評判にならなかったのですが、日本映画としてはものすごくよくできていると思います。弟子で今はそれぞれ活躍している作家達を演じる富田靖子や、鈴木京香、原田三枝子らの演技もいいし、編集者で恋人(つまりレズってこと)の加藤登紀子も非常にいいんです(加藤登紀子が作る料理も非常においしそう!)。そして、結末も「えーっ!」という感じだし。脚本も編集もよくできていて、「いい仕事」をしています。日本映画のよさはスペクタクルではなく、登場人物が少なく、こういった心理作戦みたいなもので発揮されると思うのです。
ぜひ。DVDなどで観てください。