恵解山保存へ、元興寺文化財研所長が指摘 長岡京で講演

2011-08-29 15:28:09 | 式 celemony
自身が整備にかかわった五色塚古墳の関連写真を紹介しながら、当時を振り返る坪井所長(長岡京市・市立中央公民館) 「恵解山(いげのやま)古墳特別講演会」が28日、京都府長岡京市天神の市立中央公民館であった。4世紀後半の五色塚古墳(神戸市垂水区)の復元に携わった元興寺文化財研究所(奈良市)の坪井清足所長(89)が、15年を要した整備過程を振り返り、「遺跡は有用性を保ってこそ保存の機運が高まる」と強調した。

 市は地元にある古墳時代中期の恵解山古墳を歴史学習や憩いの場にしようと、史跡公園の整備を進めている。市教委はその参考にしようと、「史跡整備の原点 五色塚古墳1960-1975」と題し講演会を企画した。

 坪井所長は「古墳に葺(ふ)く石を、淡路島西岸の五色浜から取り寄せたかったが、名勝のため石の採集が禁じられていた。代わりに北陸から人の頭ほどの大きさの石約300万個を購入した」と語った。

 古墳に大型埴輪(はにわ)を並べた苦労にも触れ、「色や堅さが適切な埴輪を大量に作って積み上げるのは、今の技術でも難しい」と話した。

 最後は五色塚古墳の現状について「警察の許可がないと大型バスが敷地内に入れず不便。現在の人の生活に役立つように整備すべきだ」と指摘して締めくくった。来場者は恵解山古墳の将来像と五色塚古墳を重ね合わせながら聞き入っていた。

【 2011年08月29日 11時28分 】

恵解山古墳周濠調査概報〈第2次〉 (1977年) (長岡京市文化財調査報告書〈第3冊〉)
クリエーター情報なし
長岡京市教育委員会


最新の画像もっと見る

コメントを投稿