マルガリータのつぶやき

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『N・S・ハルシャ展:チャーミングな旅』 森美術館でアートの力を再認識した

2017-03-18 11:19:18 | 絵画、展覧会、記念館
  

今日のインド現代美術のもっとも洗練されたアーティストのひとり、N・S・ハルシャの初のミッド・キャリア・レトロスペクティブをみてきた。
 (*) ミッドキャリア・レトロスペクティブ:アーティストのキャリアの晩年や没後に開催されるイメージが強い「回顧展」に対して、一定のスタイルを確立した中堅アーティストの数十年間の仕事を網羅的に見せる展覧会。

足を踏み入れた瞬間から想像以上にユニークで新鮮な切り口の展示が続いた。
故郷の南インドに軸を置き、伝統美術、神話の世界から、視点は現代のグローバル経済への変化へ、
 さまざまな矛盾、不条理を一瞬のうちに感じさせるアートの力はすごい。
 さらに「インド」を超えて宇宙へ向かう思想には、ここでも「インドの奥深さ」に圧倒された。

1)くりかえし描かれる人々の日々の営み、
  <ここにきて演説をして>
  

2)古都マイスールから世界を考える「チャーミングな国家」シリーズ
  <彼らが私の空腹をどうにかしてくれるだろう>
  

3)193台のミシンに国際連合加盟国の旗
  <ネイションズ(国家)>
  

4)古代インドの『ラーマーヤナ』にも登場する猿の神様ハヌマーン、
  そのモデルとなった猿たちが天空を指さしている。
  <道を示してくれる人たちはいた、いまもいる、この先もいるだろう>
  

5)大きな一筆書きのよう、宇宙空間へ、
  自分もその一部に、
  <ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ>
  

≪MEMO≫
N・S・ハルシャは1969年、南インドの古都マイスールに生まれ、現在も同地に在住し活動しています。
 インドの現代アートは近年の急速な経済成長や都市化とともに、国際的な注目を浴びていますが、N・S・ハルシャもこの10年間、世界各地で開催される国際展に数多く参加し、作品を発表しています。
 その一方で、南インドの伝統文化や自然環境、日々の生活における人間と動植物との関係など、自らを取り巻く「生」と真摯に向き合いながら、独自の立ち位置を確立してきた作家でもあります。
 現実世界の不条理、具象と抽象、イメージの繰返しなど、彼の実践に一貫して見られる関心を掘り下げます。
 
古都マイスールについては;マイスール・ウィキペディア
 









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