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今日のインド現代美術のもっとも洗練されたアーティストのひとり、N・S・ハルシャの初のミッド・キャリア・レトロスペクティブをみてきた。
(*) ミッドキャリア・レトロスペクティブ:アーティストのキャリアの晩年や没後に開催されるイメージが強い「回顧展」に対して、一定のスタイルを確立した中堅アーティストの数十年間の仕事を網羅的に見せる展覧会。
足を踏み入れた瞬間から想像以上にユニークで新鮮な切り口の展示が続いた。
故郷の南インドに軸を置き、伝統美術、神話の世界から、視点は現代のグローバル経済への変化へ、
さまざまな矛盾、不条理を一瞬のうちに感じさせるアートの力はすごい。
さらに「インド」を超えて宇宙へ向かう思想には、ここでも「インドの奥深さ」に圧倒された。
1)くりかえし描かれる人々の日々の営み、
<ここにきて演説をして>
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2)古都マイスールから世界を考える「チャーミングな国家」シリーズ
<彼らが私の空腹をどうにかしてくれるだろう>
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3)193台のミシンに国際連合加盟国の旗
<ネイションズ(国家)>
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/52/02/cc196a3a4d3b5a03320db7ecbc7c1ad8.jpg)
4)古代インドの『ラーマーヤナ』にも登場する猿の神様ハヌマーン、
そのモデルとなった猿たちが天空を指さしている。
<道を示してくれる人たちはいた、いまもいる、この先もいるだろう>
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5)大きな一筆書きのよう、宇宙空間へ、
自分もその一部に、
<ふたたび生まれ、ふたたび死ぬ>
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≪MEMO≫
N・S・ハルシャは1969年、南インドの古都マイスールに生まれ、現在も同地に在住し活動しています。
インドの現代アートは近年の急速な経済成長や都市化とともに、国際的な注目を浴びていますが、N・S・ハルシャもこの10年間、世界各地で開催される国際展に数多く参加し、作品を発表しています。
その一方で、南インドの伝統文化や自然環境、日々の生活における人間と動植物との関係など、自らを取り巻く「生」と真摯に向き合いながら、独自の立ち位置を確立してきた作家でもあります。
現実世界の不条理、具象と抽象、イメージの繰返しなど、彼の実践に一貫して見られる関心を掘り下げます。
古都マイスールについては;マイスール・ウィキペディア
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/74/15/ae4adb42201f2b1086d58cf1494be026.jpg)
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