梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

終わってしまいました

2008年08月25日 | 芝居
今日の1回公演でA班は千穐楽。
悔いのない舞台を! という気持ちで、皆々最後の舞台を勤めさせて頂きました。
私の『勢獅子』の芸者も、ようやく、やっと、なんとかそれらしい雰囲気で踊れるようになったかな…というところで終わってしまい、もっと踊りたい! というのが正直な気持ちなのですが、今はとってもスッキリしています。
諸先輩方に囲まれながら、シヌキを披露するお役でしたが、居並ぶ皆様から本番中も温かい励ましを頂き、沢山たくさん盛り上げて頂きました。もとより調子に乗りやすい私です、いやがおうにも「さあ、やるぞ!」という気になりまして、どんなにか勤めやすかったことでしょう。

女形の踊りのいろはからはじまり、<若く>見えるように、そして<芸者らしく>、なにはさておき<楽しそうに>、与えられた課題は多く、難しゅうございました。体の使い方、視線、細かいところまで藤間の御宗家にご指導いただきましたが、どれだけクリアできたかは、誠に心もとないのですけれど、今一度、女形に転向した2年前の初心にかえり、素直な心で学ぼうと、その思いで取り組んで来た結果に、やるだけのことはやったという思いは確かにあります。

頼もしい鳶頭の升一さん、音一郎さん、そして姐さん芸者の歌女之丞さんと共に、ハレの祭りの舞台を勤め上げられましたことを、まずは心より感謝申し上げる次第です。

毎年申し上げるようですが、この夏の経験をムダにしないこと! 今後の役者人生に必ず還元できるよう!
一夏の晴れ舞台で、貴重な勉強ができるという有難さを決して忘れないよう!
明日の梅王丸の後見も、誠心誠意勤めます!