梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

雷雨におびえながら

2008年08月05日 | 芝居
『弁慶上使』のお稽古に、竹本の皆様もご参加下さいました。
私たちの勉強の場でもある<音の会>ですが、本当の主役は会名が示す通り、竹本さん、長唄さん、お囃子さんといった<歌舞伎音楽>の皆様です。
竹本の皆様も、これまでお忙しい中お稽古を重ねてきたわけですが、今日はじめて演者と奏者が揃いましての“手合わせ”というところでしょうか。『弁慶上使』では、多くの義太夫狂言がそうであるように、太棹の三味線に合わせての演技、あるいは<ノリ地>のセリフが多数出てまいります。そういうところの間合いを確かめ、必要に応じては、お互いやり方を変えるなどして、流れをまとめてまいりました。

やっぱり音が生になると気持ちの入り方が違いますね。お腹にデーンと三味線の音が響いてくると、もう一歩、お芝居の世界に入り込めるような気がしました。

…それにしても今日の豪雨は大変でしたね。残念ながら都内でも亡くなられた方がいらっしゃいましたが、国立劇場近辺も車軸を流す大雨と雷で、稽古場にもゴロゴロ雷鳴が響き渡っておりました。
そんななか松濤の宗家稽古場にゆくのは、さぞや濡れ鼠になるだろうと思っておりましたが、運良く私たち芸者一行が劇場を出る頃には小やみになり、傘をささずに歩けたのは助かりました。
ちょうどA班の鳶頭、升一さん音一郎さんたちのお稽古も始まる頃で、昨日「まだ拝見できていない」と書いたお二人の踊りぶりが見られて良かったです(共演者がどんなふうに踊るか、気になりますでしょ?)。

予想通り、二人とも汗びっしょりでした(笑)。
やっぱりお獅子は大変だァ。相当中に熱がこもるみたい。
お二人はまさに直球勝負。ホント格好良かった~!