梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

やることがいっぱい

2008年08月04日 | 芝居
お昼過ぎから国立劇場の中稽古場に師匠がいらっしゃり、10月歌舞伎公演『大老』の宣伝写真撮影。師匠は、播磨屋(吉右衛門)さんが主演なさる井伊直弼の友人、長野主膳をお勤めになります。動乱の世を冷徹に見つめ、日本が将来を誤らぬよう、犠牲をしいてでも開国への道を貫くよう進言する学者のお役です。それらしい雰囲気を、ということで、和綴じの書籍を手にしたポーズで。どんなポスター、チラシが出来上がるのでしょうか?

『大老』は新歌舞伎の作家として有名な北条秀司先生の大作で、先行作であり今でもよく上演される『井伊大老』を加筆増補し、井伊直弼の半生をより深く描いたものなのだそうです。
私は、まだ『井伊大老』しか存じませんので、どのような舞台になるのか、今から楽しみです。

撮影終了後は『弁慶上使』の稽古。だんだんお芝居の雰囲気に慣れてきました。セリフもあまり気にしないで言えました。こんなかんじでスーッと本番までいきたいです。
…次は松濤へ行き『勢獅子』のお稽古。A班B班の芸者役4人で。普段は仲良しでも、ここではある意味ライバル。といってお互いが対抗意識出しまくりというわけではなくて、文字通り<切磋琢磨>の気持ち。みんなでいい『勢獅子』を作りたいな。
実は、お稽古の都合もあってまだ鳶頭の皆さんの踊りを拝見してないんですが、何パートも踊る部分があります(しかも激しく)から、さぞや汗だくになっているのでしょう。私は私で先生のダメ出しに冷や汗脂汗ですが…。