梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

はじまりました

2008年03月02日 | 芝居
歌舞伎座<三月大歌舞伎>の初日が開きました。
お陰様で『春の寿』「萬歳」の後見も、『廓文章』の仲居も、無事に勤めることができました。
夕霧の鉢巻きが何事もなく解けたときの安堵感! アアよかった~という気持ちでした。
とはいえ、もっと段取りよく一連の動きをこなすためには、まだまだ努力が必要です。早く場の空気に慣れ、ひとりの仲居として動けるよう、肩の力を抜いて、落ち着いて、そして気を引き締めてまいります。

今月は昼の部で仕事は終わりです。名題下部屋が71名の大所帯ですので、グズグズ長居は迷惑ですので、早々に引き上げましたが、客席にまわりまして夜の部の舞台を拝見させて頂いてから帰りました。

華やかな舞踊三段返し『春の寿』、先月の『熊谷陣屋』から時間を巻き戻しての、大海原を背景に繰り広げられる熊谷と平敦盛の物語(馬も大活躍)『陣門・組打』に、総勢17名の若い者による立廻りが華やかな『女伊達』、そして上方情緒纏綿たる『廓文章』。様々な立廻りが面白い『鈴ヶ森』、山城屋(坂田藤十郎)さんの喜寿の記念の『娘道成寺』と、10年ぶりの上演となる生世話物『お祭り佐七』。

みどころたっぷりの弥生興行へ、是非是非お越し下さいませ!