梅之芝居日記

歌舞伎俳優の修行をはじめてから15年がたちました。
日々の舞台の記録、お芝居ばなし等、お楽しみ下さい。

梅之博多日記3・『舞台稽古一日目』

2006年01月31日 | 芝居
今日は『女伊達』『伽羅先代萩』の<総ざらい>と『大津絵道成寺』『源氏店』の<舞台稽古>でした。
『女伊達』は、昨日より大分落ち着いて勤めることができました。得物として使う番傘を持って、<三徳>のトンボを返るのですが、久しぶりにすることなので、空き時間に楽屋で試してみましたが、バッチリ大丈夫でした。自分のことは心配しなくて良さそうなので、周りと合わせることを第一に考えて、明日の舞台稽古を頑張ります。
師匠が『先代萩』の総ざらい中に、私は楽屋で、あらためて八汐の着付けの稽古をいたしました。兄弟子に師匠のかわりになって頂き、衣裳さんにもご無理をお願いしまして、綺麗に着付けるために何度も繰り返しました。やっと自分の拙かったところがわかり、気をつけるポイント、コツも教えて頂くことができまして、本当に有り難かったです。明日はきっと進歩しているはずです!
『大津絵道成寺』は別段何事もなく終わりました。皆の居所や動きの手順は、モニターを録画したもので確認、改善できましたので、あとは各人が気をつければ大丈夫です。
『源氏店』は、私が入門してからでも四回目となる演目ですので、いたってスムースに仕事ができました。

そうそう、明日は『女伊達』の舞台稽古なんですが、今日のうちに“ムダ毛処理”をしなくてはならないんです。むさ苦しい話なので、イヤな方は数行読み飛ばして頂きたいのですが、歌舞伎の舞台では、足を露出する衣裳の時は、大抵すね毛を剃るものなんです。『女伊達』のカラミは、浴衣一枚の<若い者>ですので、当然足は太ももの半ばくらいからばっちり見えてしまいます。もともと生え方の薄い人はいいんですけど、私は比較的濃い方なんで、今夜はお風呂場でジョリジョリです。他に浴衣を尻端折りの駕篭屋の時とか、袴を股間近くまでたくし上げる<股立ち>という着方をする時なども同様です。毛を剃っちゃうと、なんだかスースーして変なカンジです。

…一昨日からの『博多日記』に写真を追加しました。今日は私が『大津絵道成寺』の奴の衣裳を着ているところを撮ってもらいました。帯を締めているところです。