4歳の愛娘と妻との極幸せな生活を営む杉村三郎。
しかし彼の妻、菜穂子は一代で築かれた今多コンツェルンの会長、今多義親の娘であり、また彼が勤めるのは今多コンツェルンの広報室であった。
その三郎は、会長直々に、断るという選択肢の無い、ある依頼を受けることとなる。
その依頼とは、事故死した会長専属運転手であった梶田信夫の2人の娘、心配性の姉・聡美と、明るく素直な妹・梨子が、未だ捕まらない父親を事故死させた犯人探しの手段としての、本の出版の手伝い、というものであった。
父の事故死を理由に、恋人との結婚式の延期を考える聡美。
4歳の時の聡美の恐ろしい体験と、父の過去との関係は!?
封じられた過去を暴くことを恐れる姉と、何も知らぬ妹・梨子との関係の悪化。
一つ一つのパーツが形を結び、ある一つの結論が導き出される時、、、
人が生きる幸せの意味は!?
幸せに生きるために必要なのは過去なのか、それとも未来なのか。
決して人は1面で語ることのが出来ない、その裏に秘めているものは、、、
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すごいですね、宮部みゆきさん。
主人公がパッとしない凡庸な人間になると、その文章の語り口まで淡々と、悪く言えばまどろっこしい形に変えることが出来ている。
ささやかな幸せな生活を営む三郎。
彼が見つけ出した一つの答えは、果たしてそれは求められていた答えだったのか。
人生は一筋縄ではいかないのが常なのか、、、
ささやかな幸せ、それがいいですね。
誰もが求める、幸せって、なんで手に届きそうで届かないのか、、、
劇的な展開は終盤の終盤にこなければ無いですが、本の語り口は見事です。
勝手に評価 ☆2.5 / 5.0
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