図1はプロの対局です。黒が①とコスミツケた時、白は②から④と受けるのが常形で、中盤の定石と言っても良いと思います。特に白④は大切な備えで、これで黒からの隅への手段を封じています。
図1
つまり、図1の後、黒が図2の①から⑨と手をつけて来ても、⑩以下⑯まで無条件で黒を取ることが出来ます。従って小生は今まで黒からの隅への手段はないものと思っていました。
図2
しかし、黒のY九段は図1の後、図3①から隅に手をつけ、⑨と⑩の交換のあと、⑪とハネました。以下⑰まで隅はコウになりました。プロにとっては常識なのかも知れませんが小生には驚きの変化です。碁は考えれば色々な手段があることを改めて感じさせられました。
図3 ⑪は(1-十四)
念のため補足しますと、図4黒①とハネたとき、白が②とユルめ、③~⑤のあと⑥とオイテ無条件死を狙っても(白がツグと図2と同じになる)、黒⑦が好手で以下⑮までやはりコウになるようです。
図4 ⑨は(1-十七)
実戦でよく現れる形なので、覚えておいて損のない変化ですが、おそらく1週間後には頭の片隅から飛んでいるに違いありません。残念ですが。