コウ争いなどでは、往々にして見た目の大きさで振り替わったりすることがよくあります。時間に追われて冷静な判断が出来ないことも起因しています。
図1はNHK杯での呉五段対謝六段の一局。右下隅で食うか食われるかの大コウ争いが発生し、白が①とコウ立てした局面。ここで黒はaとコウを解消し、白はb、cを交換後dと左下隅を取って振り替わりました。
一見、取られた白の大石(18目)が大変大きく、左下隅を取った位では、割に合わないように感じられるのですが、コウで取られた大石の地と同等、もしくはそれより大きく、謝六段はこの振り替わりで十分との判断だったようです。出入りが伴う振り替わりは見た目以上に大きいことを改めて感じさせられました。結果は謝六段の7目半勝でした。
図1 67回NHK杯 呉柏毅五段(黒)対 謝依旻六段