***** 子年の展望 No.64 *****
酒造りが完成したことを祝う宴で、
崇神天皇が詠んだとされる
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味酒(うまざけ) 三輪の殿(との)の
朝門(あさと)にも 押し開かね
三輪の殿門(とのど)を
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という歌が、「疫病対策」を示しているとするならば、
この歌の中に登場する「酒(アルコール)」が、
それらのカギを握る物質となりそうですね。
「養老の滝」の話に代表されるように、
全国各地には「霊水(お酒)」を飲んで
寿命が延びたなどの伝承が残っておりますし、
またアルコールの成分は、ウイルスを
包み込む「エンベロープ」という膜を壊し、
不活化させるとも言われております。
まあ、「飲酒」に関してはあまり
ウイルスには効果がないとも聞きますが、
「発酵」にこだわった古代人が、
アルコールに「殺菌作用」や「ウイルス破壊作用」を
見出していた可能性は否定できないのでしょう。
今も昔も神への供物のとして
「清酒」が欠かせないのも、
観念的な清めの効果だけでなく、
現実的に身を清める作用が
働くからなのかもしれません。