たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

天皇祭祀の掟

2020-03-08 09:54:01 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.45 *****

もともとは皇居内でお祀りしていた

「倭大国魂神」でしたが、

神の神威を恐れた崇神天皇は、

皇女である渟名城稚姫命に祭祀を一任しました。

 

しかし、渟名城稚姫命が

祭祀を継続できなくなったため、

再度奉斎者を選び出そうと占った結果、

倭大国魂神から「市磯長尾市に祭祀を任せよ」

との神託が降りたのだとか……。

 

実は、これらの内容を記す

『日本書紀(の一書)』には、

倭大国魂神が崇神天皇の子・垂仁天皇に対し、

「父親は神祇の何たるかがわかって

いなかったので短命になった」と告げた

という文章が追記されているのだそうです。

 

何でも、領有地をめぐる「神との契約」を

崇神天皇が破棄したことが、

「倭大国魂神」の怒りを買った原因だと言いますが、

もしそれが本当なら崇神天皇という人物は、

天皇祭祀の「掟」を破るような

ミスを犯したということなのでしょう。

 

そのために「祭祀者」の資格を奪われ、

自身がお祀りしていた「天照太御神」

「倭大国魂神」を、宮殿の外へと

出さざるを得なくなったとも考えられます。