たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

真の国津神

2020-03-22 09:37:58 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.59 *****

「疫病」というキーワードを軸に、

古代の三輪山の様相をシミュレーション

してみましたが、これらの流れから、

「天照太御神」と「倭大国魂神」が

去った三輪山には「大物主神」だけが残り、

「大田田根子」を祭祀者とする大神神社の

原型が出来上がったことがわかります。

 

恐らく、崇神天皇という人物は、

大国主神の時代から「恫喝」を

始めていた三輪山の神に対し、

「天照太御神」や「倭大国魂神」

への祭祀が疎かになるほど、

過剰な配慮をしていたのかもしれません。

そのような後ろめたさがあったからこそ、

「疫病蔓延」の原因をまずは

祭祀が手薄だった二神の祟りと判断し、

皇居から遠ざけようとしたのでしょう。

 

しかしながら、「伊勢」という遠地に

隔離された「天照太御神」とは異なり、

「倭大国魂神」はごく近隣の地に鎮まった上で、

あたかも「崇神天皇の御陵」と

「三輪山」を監視するかのごとく、

静かににらみを利かせているような

雰囲気が漂ってまいるのです。

 

もしかすると、「倭大国魂神」

こそが真の国津神であり、

三輪山の周囲で起こる出来事や、

崇神天皇の祭祀に対する態度を、

陰から冷静に観察していたのでしょうか……。