***** 子年の展望 No.41 *****
都を襲う「疫病の蔓延」を阻止すべく、
皇居内から「天照太御神」と「倭大国魂神」
を遠ざけた崇神天皇でしたが、
「倭大国魂神」をお祀りする渟名城稚姫命が、
身体を壊すなどしたため、
事態の悪化は食い止められませんでした。
一向に改善しない状況を憂いた天皇が、
亀卜(占い)で災いの原因を究明しようとしたところ、
巫女である倭迹迹日百襲姫命に乗り移った
大物主神(三輪明神・三輪山の神)から、
「私を敬えば自然と疫病は平らぐ」
と告げられたと言います。
しかしながら、神のお告げ通りに
大物主神を手厚く祀ったにも関わらず、
その後もまったく効果が現れないどころか、
さらに状況が悪くなってしまったのだとか……。
つまり、このときの崇神天皇の「祭祀」が、
上手く機能しなかったということなのでしょう。
これ以前の天皇の御代に、
「皇居の神々が奇異を成した」ような
顕著な痕跡は見られませんから、
恐らくは崇神天皇の祭祀そのものに、
何らかの不具合が生じていた
可能性も考えられるのです。