たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

祭祀の不具合

2020-03-04 09:40:59 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.41 *****

都を襲う「疫病の蔓延」を阻止すべく、

皇居内から「天照太御神」と「倭大国魂神」

を遠ざけた崇神天皇でしたが、

「倭大国魂神」をお祀りする渟名城稚姫命が、

身体を壊すなどしたため、

事態の悪化は食い止められませんでした。

 

一向に改善しない状況を憂いた天皇が、

亀卜(占い)で災いの原因を究明しようとしたところ、

巫女である倭迹迹日百襲姫命に乗り移った

大物主神(三輪明神・三輪山の神)から、

「私を敬えば自然と疫病は平らぐ」

と告げられたと言います。

 

しかしながら、神のお告げ通りに

大物主神を手厚く祀ったにも関わらず、

その後もまったく効果が現れないどころか、

さらに状況が悪くなってしまったのだとか……。

つまり、このときの崇神天皇の「祭祀」が、

上手く機能しなかったということなのでしょう。

 

これ以前の天皇の御代に、

「皇居の神々が奇異を成した」ような

顕著な痕跡は見られませんから、

恐らくは崇神天皇の祭祀そのものに、

何らかの不具合が生じていた

可能性も考えられるのです。