***** 子年の展望 No.52 *****
先日の記事内で、皇居で起こる
「奇異(神器の鳴動)」に恐れをなした
崇神天皇は、自らの護身具とするため
「忌部氏に鏡と剣(のレプリカ)を作るよう命じた」
という話をご紹介しました。
そこで気になるのが、なぜこのとき崇神天皇は、
三種の神器のひとつである
「勾玉」のレプリカを造らせなかったのか、
ということでして、現在に至るまで
どういうわけか勾玉だけは、
模造品ではなく本物が宮中に祀られております。
もしかすると、一度は「祟りの元凶」
として皇居外に出された勾玉が、
ある時期に天皇のそばに戻った
ということなのでしょうか……。
あるいは、崇神天皇の時代にはまだ、
「鏡」と「剣」の二種の神器しか存在せず、
勾玉はのちに神器に加えられたのでしょうか……。
ちなみに、「疫病」の一件が落着したのち、
崇神天皇は出雲大社に祀られる
神宝(剣とも勾玉とも言われる)を、
半ば強制的に自らの元へと献上させた
という記述があります。
となると、崇神天皇は出雲とも深く関わる
「大物主神」への祭祀を強化するために、
出雲由来の神宝である勾玉を
神器のひとつに加えた可能性も出てきますね。