たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

倭大国魂神の立場

2020-03-14 09:24:08 | 一年の展望

 

***** 子年の展望 No.51 *****

昨日は、「天照太御神」が

三輪山を離れた理由について、

「三輪山との相性の問題だったのではないか?」

との見解を示しましたが、

「倭大国魂神」に関しては、また異なる事情が

隠されているような気がいたします。

 

一般的に、三輪山の「大物主神」も「倭大国魂神」も、

「国津神」として一括りにされ、

崇神天皇の一件に関しても、「神の祟り」

といったざっくりとしたニュアンスで、

私たちの耳には伝わってまいるもの。

 

しかし、厳密には大物主神は

三輪山を支配する「三輪明神」、

倭大国魂神は一帯を所有する「地主神」でして、

これらの詳細が記される『日本書紀』の中でも、

それぞれの神がそれぞれの主張を

している様子が伺えるのです。

 

例えば、大物主神が訴えていたのは、

「自分に対する祭祀のやり方への不満

(および全面的な祭祀者の変更)」でしたが、

倭大国魂神に関しては、巫女を通じて

「二番目の祭祀者への変更」を指示しただけでした。

つまり、倭大国魂神という神は、

大物主神ほど崇神天皇には

干渉していなかった可能性もあるのですね。