<お面資料>
以前、「能登の旅」の中でちらっとご紹介した、
久麻加夫都阿良加志比古(くまかぶとあらかしひこ)
神社の主祭神は、クマカブトアラカシヒコという名の
古代朝鮮(3~4世紀頃)の王族とも噂される神様です。
さらに、この神社にはもう一柱ご祭神が鎮座しており、
何を隠そうそれがツヌガアラシトでして、
この神社で行われる熊甲祭は、別名「枠旗祭」とも呼ばれ、
祭り王国でもある能登においても、
特に異国情緒が漂う奇祭として知られています。
残念ながらこちらのお祭りは拝見していないため、
写真を載せられずに申し訳ないのですが、
書籍等で確認いたしましたところ、
枠旗祭で使用される枠旗の色はすべて真っ赤、
そして枠旗のそばで舞い踊る人々の
お面も真っ赤……といった具合に、
祭り全体がまさに赤一色に彩られたお祭りでした。
そして、この祭典の中で「枠旗」と同様、
主役級の存在感を放っていたのが、
神輿や枠旗に先立って登場する「猿田彦」です。
ツヌガアラシトを先導する猿田彦、
猿田彦が手にする「矛」とアメノヒボコの「ホコ」……。
これら3神の間には、古代史の裏に隠された
深い結びつきがあったことは確かでしょう。