たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

麻と銅鐸

2019-07-29 09:45:13 | 鉄の神々2

<大麻比古神社 おおあさひこじんじゃ>

 

「鉄」と「麻」との間に強力な結びつきがあることは、

各地の「麻」と名の付く場所から、

「銅鐸」が出土するという事実からも証明できるそうです。

 

例えば、四国を例にあげると、香川県善通寺市の大麻山や、

鳴門市大麻町の阿波国一の宮・大麻比古神社の近辺、

古くは麻植郡と呼ばれた吉野川市山川町の遺跡など、

なぜか「麻」のそばには、常に「銅鐸」が寄り添う

という奇妙な偶然が見られるのだとか……。

 

また、旧麻植郡は徳島県内最大の銅鉱山

高越鉱山を要する「鉱物の都」で、

その昔は忌部郷(いんべごう)と

射立郷(いたてごう)とに分かれていたと聞きます。

 

射立郷に祀られる天村雲命は、

天五多底命(あめのいだてのみこと)

とも呼ばれていたという話があり、

もしそれが本当だとすれば、

たつの市の中臣印達神社に合祀された、

「アワヂ」と名の付く謎の社が、

もともとは射立郷に鎮座していた

可能性も出てくるのでしょう。

 

いずれにせよ、「アサ」という音は、

朝鮮語で「鉄」を意味するともいわれていますし、

「麻」をシンボルとする忌部氏と

「鉄」や「銅鐸」との関わり、

そして「麻」をシンボルとする忌部氏と、

伊福部氏・出石氏など「鉄」を専業とする氏族

との関わりが、にわかに気になってまいりますね。