たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

黒葛と気多

2019-07-15 09:28:38 | 鉄の神々2

<日高町・気多神社 けたじんじゃ>

 

新温泉町から再び内陸部へと移動し、

豊岡市内に入ってまず訪れたのが、

『播磨国風土記』の黒葛の件に

登場する「気多神社」です。

 

こちらは、アシハラシコヲ(オオナムチ)と

アメノヒボコが国占めをした際、

アシハラシコヲの投げた

黒葛のひとつが落ちたとの伝承が残る土地で、

また「気多」という名称が示すように、

能登国一の宮・気多大社との関連を

うかがわせる場所でもあります。

 

かつては但馬総社と呼ばれる

立派なお宮だったそうですが、

現在は当時の隆盛を想像させるものはなく、

国道わきの田んぼの中に鎮座する

「村の氏神」といった雰囲気の神社でした。

 

ちなみに、気多と名の付く神社は、

羽咋市を中心とする日本海沿岸に点在しており、

いずれも大国主命(オオナムチ)の

遠征ルートと関わるといわれます。

 

ここ兵庫県においても、

アシハラシコヲの投げた他の二つの黒葛は、

ひとつが但馬国の養父神社のあたり、

もうひとつが播磨国宍粟郡の

御形神社のあたりに落ちたとのことですから、

当時アシハラシコヲの勢力が

かなり広範囲に広がっていたことがわかるでしょう。