たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

額にある角

2019-07-21 09:09:40 | 鉄の神々2

<気比神宮 けひじんぐう>

 

「額に角」という言葉からまず連想するのは、

昔話に登場する「鬼」という妖怪かもしれません。

ただし古代、額に角を持っていたのは、

伝説上の鬼と呼ばれる存在だけでなく、

ある職業に従事していた人々も含まれていたといいます。

ずばりその職業とは「製錬技術者」でして、

主に大陸からやって来た鍛冶やタタラ民を示す「印」が、

額にある角だったといわれているのです。

 

以前、イタテ神・兵主神について記した記事内で、

中国の神話に登場する「蚩尤(しゆう)」という神が、

兵主神と同体であると書きましたが、

聞くところによりますと、この蚩尤も頭に角を生やし、

血の色である赤をシンボルカラーとしているのだそう。

兵主神はアメノヒボコとも同一視されていますし、

ツヌガアラシトの特徴的な容姿を絡めて考えれば、

兵主神が額に角を生やした韓鍛冶だった

可能性も高いのでしょう。そしてさらに、

アメノヒボコと「浅からぬ縁あり」と目されているのが、

同じ「矛」をトレードマークとするある有名な神でした。