<気比神宮 けひじんぐう>
ツヌガアラシトの来日譚として、
『日本書紀』には次のようにに記されていました。
*一部補足あり
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崇神天皇(もしくは垂仁天皇)の時代、
額に角が生えた人物(ツヌガアラシト)が、
船に乗り穴門から出雲国を経由して、
笥飯浦(けひのうら)に到着しました。
不審に思った土地の人が、ここに来た理由を尋ねますと、
「聖なる王を探してやってきた」といいます。
ツヌガアラシトは崇神天皇との面会を望んでいたものの、
崇神天皇はすでに崩御されていたため、
時の天皇である垂仁天皇に3年間仕えることになりました。
その後、ツヌガアラシトは本国である
伽耶国に戻ることになったのですが、
帰国後、天皇より賜った大切な赤い絹の織物を、
新羅国の兵士に奪われてしまったのだとか……。
この出来事がきっかけとなり、
伽耶と新羅の対立が始まったたそうです。
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ここで登場するのが
「赤い絹の織物」というキーワードですが、
麒麟獅子舞において、道化役として登場する
猩々(しょうじょう)の身に着けていた衣装も、
全身真っ赤な装束でした。
さらに、このツヌガアラシトは、
以前ご紹介したある「神話上の神」
とのつながりも指摘されていたのです。