たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

二人の鉄神

2019-07-16 09:33:46 | 鉄の神々2

<日高町・気多神社 けたじんじゃ>

 

『播磨国風土記』の中でも

よく知られた物語のひとつ、

アシハラシコヲ(オオナムチ)と

アメノヒボコの国占めの話において、

アメノヒボコが投げた3本の黒葛は、

すべて但馬国の出石地方に落ちたといいます。

この結果、アメノヒボコの領土は

但馬国の出石地方のみに限られ、

アシハラシコヲは出石以外の

産鉄地を手に入れました。

 

一説に「鉄の利権争い」が

絡むとされるこれらの逸話は、

アシハラシコヲの勢力が、およそ8千人とも

目されるアメノヒボコの一群を跳ね返すほど、

強大だった証拠にもなり得るのでしょう。

 

一方、『日本書紀』の記述によりますと、

アメノヒボコは天皇から

「播磨国の宍粟村と淡路国の出浅村」

の支配を許可されたにも関わらず、

「気に入った土地を探したい」と申し出て、

最終的にこの但馬の地を住処に選んだと聞きます。

 

争いの結果仕方なく出石を選んだのか、

それとも確固たる意思を持って

出石を選んだのかはわかりませんが、

いずれにせよアメノヒボコと出石地方との

水面下でのつながりが気になるところですね。