たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

麒麟獅子

2019-07-11 09:35:21 | 鉄の神々2

<宇倍神社 うべじんじゃ>

 

鳥取県東部(因幡国)と

兵庫県北但西部(但馬国)には、

「麒麟獅子(きりんじし)舞」という

この地独特の伝統芸能が伝わり、

該当地域の祭礼行事などで盛んに舞われています。

何でも、この地を治めていた鳥取藩主・池田光仲が、

徳川家との強いつながりを示すため、

「麒麟」をシンボルとする獅子舞を考案したことが、

この唯一無二の舞が誕生した発端なのだとか……。

 

麒麟獅子の古式が受け継がれる

因幡国一の宮・宇倍神社には、

代々のお祭りで用いられたと思われる、

使い込まれた獅子頭が保存されていました。

ちなみに麒麟獅子舞が、

他の獅子舞と決定的に異なるのは、

胴幕に大人二人が入って舞う

「二人立ち」の様式を取るということです。

 

関東から東北地方にかけて分布する

「一人立ち」と呼ばれる獅子舞が、

日本の山野に住む「鹿」や「猪」を模した

日本固有の芸能であるの対し、

「二人立ち」の獅子舞は西洋の

「ライオン」を祖型とするなど、

外来文化の影響を色濃く残す様式だと聞きます。

 

また、赤い面・赤い衣装・赤い髪・赤い棒……等々、

全身を赤一色で覆った「猩々(しょうじょう)」

と呼ばれるあやし役がコンビを組み、

麒麟獅子を先導したり、

獅子と共に舞ったりするなどの点も、

この地域の獅子舞でしか見られない

ユニークな特徴かもしれません。