たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

気骨のある人々

2019-07-02 09:43:27 | 鉄の神々2

<若桜神社 わかさじんじゃ>

 

鳥取県八頭郡の一帯に鎮座する神社の半数近くは、

「スサノオ」をご祭神とする神社で、その中には

「牛頭天皇」と「妙見信仰」とを習合している場所が、

多数含まれていると聞きます。今回、鉄の神々を巡る旅で訪れた、

鳥取県若桜町の若桜神社の主祭神は国常立大神ですが、

実は山陰地方から丹後・丹波地方にかけてのエリアは、

「妙見信仰」の痕跡が数多く残り、

国常立大神やスサノオなどとも深く結びついた、

独自の信仰形態を保っているのですね。

 

また、八頭郡といえば、大国主神の妻である

ヤカミヒメゆかりの地としても有名で、

若桜町と養父市との境界にある氷ノ山(ひょうのせん)には、

ヤマタノオロチの伝承が伝えられています。

近隣の播磨国や但馬国では、鉄を巡る攻防により、

次々と神社の「主祭神」が書き換えられる中で、

スサノオ信仰を頑なに残したこの八頭郡、

そして「国津神の親分」である

国常立大神を守り続けた若桜神社には、

なかなかに気骨のある人々が存在していたのかもしれません。