<重蔵神社 じゅうぞうじんじゃ>
「アマメハギ」と合わせて、
ユネスコ無形文化遺産に登録されたのが、
輪島市の伝統行事である
「面様年頭(めんさまねんとう)」です。
面様年頭は、輪島崎町の輪島前神社と、
河井町の重蔵神社の氏子によって継承されており、
男面と女面をつけ夫婦神に扮した2人の氏子が、
人々の無病息災を願いながら
家々を回り歩く正月行事です。
「アマメハギ」と決定的に違うのは、
神様が家内では終始無言であるということで、
ある意味賑々しく登場するアマメハギ以上に、
静かな畏怖を漂わせるしきたりだと言えるでしょう。
多種多様なお祭りを要する能登半島の中でも、
特に輪島の近辺には個性の強い行事が集結し、
一年中どこかの神社や民家で、
特色の異なる祭祀が執り行われています。
先日ご紹介した、あえのことをはじめ、
キリコ巡行を含む輪島大祭、
御陣乗太鼓で知られる名舟大祭、
アマメハギ、面様年頭……等々、
能登を代表するお祭りの多くが、
輪島市近辺に散見されます。
特に、輪島の中心部に鎮座する重蔵神社は、
一年を通して意味深な「奇祭」
が催行される謎多き神社でした。