たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

能登の鬼

2019-01-05 09:26:17 |  能登の神社

<岩井戸神社 いわいどじんじゃ>

 

能登人の気質を表すとき、

「能登は早くから海外と交流していたため、

新たな人や風習を柔軟に取り入れる

大らかさがあった」などと言います。

ただし、裏を返せば「長いものに巻かれる」

という道を選ばなければ生き残れないほど、

日々様々な外圧にさらされてきた土地だった、

とも言い換えられるのでしょう。これは決して、

「すべての渡来人が鬼」という意味ではなく、

「様々な思想や価値観を持った人が入り込んで来た」

という意味で、能登の人々にとって「鬼」とは、

ときに力強い味方でもあり、

また恐ろしい敵にもなったのだと思われます。

 

古代の能登を探る中で心に響いて来たのは、

「能登人は寛容だったから」のひと言で、

能登の風土を語ることへの違和感でした。

能登の人々が臨機応変に「異物」を受け入れてきた裏には、

「祭り」という隠れ蓑を利用するしかないほどに根深い、

この地の人々の心の葛藤が見え隠れするのです。

能登という場所に、なぜこれほど多くの祭りが

残されているのかを考えると、そこには

「絶対に祭りを止めてはいけない」という

切実な理由があったのかもしれません。

次回はそれらの謎に迫るべく、能登を代表する

「ある鬼」の伝説について空想してみることしましょう。