<白山周辺>
日本書紀の別伝に登場する
「新羅の国のソシモリ」という文言をきっかけに、
つらつらと妄想の旅を繰り返していたところ、
なぜか朝鮮半島ではなく、出雲のはるか東、
牛首の地名を要する白山へと導かれました。
ちなみにその昔、牛は神として崇められていた動物で、
頭に「角」を持っていることから、
牛首を「鬼」とも呼ぶこともあったそうです。
牛首という名の集落に取り囲まれた白山は、
大汝峰(おおなんじみね)と称する山峰を有し、
その名前の響きから「おおなむち」との
関連が囁かれている場所でもあります。
オオナムチと言えばまさしく、
イズモを統治した大国主神のことですね。
果たして、「新羅のソシモリ」というキーワードは、
「シラ」と「牛首」の暗喩なのでしょうか……。
仮に、スサノオたちの出自に縁する場所が、
白山の近辺であったと仮定するなら、
日本書紀の編纂者たちは、「新羅」の言葉の裏に、
「シラの鬼」を隠そうとしたのかもしれません。