たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

如月祭

2019-01-04 09:17:58 |  能登の神社

<重蔵神社 じゅうぞうじんじゃ>

 

面様年頭が行われる輪島の重蔵神社には、

如月祭(きさらぎさい)と呼ばれる

特殊神事が伝えられていました。

聞くところによりますとこの神事は、

「神に生贄として人身御供をした名残」だそうで、

47~48歳の男性が「当元宿」に籠り、

一週間にわたり数多くの神事を行いながら、

前年の当組から引き継いだ

「お当神様」を奉斎するのだとか。

 

最終日の午前0時に行われる献備(けんび)式では、

黒紋付の氏子たちが口元を白紙の三角マスクで覆い、

御供米(人肉)入れたを船形唐びつを、

荒縄で十字に縛って、海藻(女人の髪)、

酒(人血)、餅(髪飾り)などで飾り付け、

神社に運び神前に供えると一目散に逃げ帰るという、

何ともいわくありげな秘儀を執り行うと言います。

 

実は、能登半島に伝わる祭りの中には、

「生け贄」を示すような内容が散見され、

人身御供を彷彿させる伝承などが

各地域に残っているのです。もしかすると、

古代の能登の人々は、すべての「異物」を

やみくもに受け入れてきたわけではなく、

いかにして理不尽な運命を避けるかを考えながら、

祭祀のあり方を模索していたのかもしれません。