たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

スサノオの化身

2019-01-22 09:40:49 | 出雲の神社

<大屋姫命神社 おおやひめのみことじんじゃ>

 

大田市の大屋地区にある大屋姫命神社のご祭神が、

オオヤツヒメとなったのは、実は明治維新後のことで、

それ以前は「荒神社(あらがみしゃ)」と呼ばれていたそうです。

「鬼村」「大国」「角折」など、この地にまつわる意味深な地名は、

もともとこの神社に祀られていた「荒神」を指すのでしょう。

近隣の鬼村という地区には、鬼岩や大歳神社など

「鬼」に縁する場所もあると聞きました。

 

ちなみに、記紀および他の日本の歴史書の中には、

八百万と呼ばれるたくさんの神々が登場しますが、

それらの大元には、イソタケルやオオヤツヒメなど、

スサノオとイナダヒメとの間に生まれた

「八柱の神」が存在すると言われています。

ゆえに、多種多様な名称を冠する神たちの多くは、

「スサノオの化身」と考えても

間違いではないのかもしれません。

 

恐らく大屋姫命神社も、もともとはスサノオを祀る社であり、

オオヤツヒメと呼ばれる(オオヤツヒメの御魂を宿す)女性が、

この地でスサノオを奉祀していたのだと思われます。

大屋という地名がオオヤツヒメを語源にしたのか、

オオヤの響きに神話の神名を当てたのかはわかりませんが、

言えるのは、この地の人々がオオヤツヒメの陰に潜む、

「大元の神」に気づいていたということなのですね。