<輪島市名舟町>
「能登の旅」の中で最後にご紹介したいのは、
輪島市名舟町の名舟大祭です。
人口約250人の小さな海辺の集落に伝わる
このお祭りは、「御陣乗太鼓」という名の
郷土芸能が披露されることで知られており、
奇遇にも今回はその実演を目にすることが叶いました。
本来は、7月31日夜から8月1日にかけて行われる、
名舟大祭のみでの演目だったようですが、
現在は輪島や七尾などの観光施設において、
季節を問わず生の演奏を拝見することができます。
以前、大祭の様子を映したTV番組を見た際、
その独特の太鼓のリズムと、
演者たちの鬼気迫る所作に圧倒され、
いつか「生で見てみたい」と思っていたこの御陣乗太鼓。
誕生の起源は戦国時代だと言われているものの、
実際にその演舞を目の当たりにしますと、
そこかしこに「縄文の息吹」が
漂っていることを実感します。
海藻や苧麻、馬のしっぽなどで飾った
個性的な「仮面」の数々は、
ある種古代に暮らしていた「能登人」の
多様性を示すかのような趣を感じました。