たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

善悪の渡来人

2019-01-07 09:42:19 |  能登の神社

<岩井戸神社 いわいどじんじゃ>

 

能登の昔話の代名詞とも言える「猿鬼伝説」と、

能登に伝わる「鬼の祭り」の分布図を重ね合わせると、

物語の主人公である猿鬼が、奥能登の伝統行事

「アマメハギ」のモデルになったと考えるのは、

決して不自然な推論ではないでしょう。

もしかすると、猿鬼というのは、

渡来系部族の中にいた「ならず者」で、

子供を食らったり、娘をさらったりするなどして、

村人を悩ませていたのかもしれません。

下手に腕力や呪術力を持っていたことから、

始末をつけるのに苦労した一面があったのだと思われます。

 

真脇の縄文人が「善良な」渡来人から知恵を授けられ、

木柱列を立てたり、土製仮面をかぶったり、

イルカなどの動物を利用したりと、

「人身御供」の代替行為を行っていた一方で、

一部の渡来人たちの間では、大陸由来の生け贄文化が、

脈々と引き継がれていた可能性もありそうです。

能登の「妖怪退治」の場面になると、

必ずと言っていいほど登場する「気多の神」は、

古くからこの地を納めていた「能登の首長」であり、

異端の民たちを征伐した英雄だったのかもしれません。