<大甕神社 おおみかじんじゃ>
出雲神話の国譲りの件で活躍する
タケミカヅチ(建御雷神)という神は、
建布都神や豊布都神など様々な別称を持ちますが、
その中に「武甕槌神」という表記が存在します。
この名前を元に考察すれば、
タケミカヅチは雷を象る神というより、
甕(みか)つまり境界を守護する
塞の神だった可能性も否定できません。
ちなみに、甕は「かめ」と呼ばれる容器のことで、
俗世と現世とを分ける境目に埋められた祭祀具でした。
鹿島市の近くの日立市には、大甕という地名が残っており、
古くはこのあたり一帯が祭祀場だったと考えられています。
もしかすると、古代は多氏がお祀りしていたはずの甕の神を、
建御雷神に変えてしまったのは藤原氏だったのでしょうか……。