<美保神社 みほじんじゃ>
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大国主神の返答を聞いたタケミカヅチは、
早速アメノトリフネを美保の岬に遣わし、
事代主神を呼び出して問いかけました。
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天上界の使者が迎えに来たとき、
事代主神は魚釣りをしていたとも、
鳥のあそびをしていたとも言われております。
目の前に自らの危機が迫っているというのに、
何とものん気な光景のようにも思えますが、
実は鳥のあそびと言うのは「神事」であり、
出雲地方の習俗である「風葬」
にもつながる神聖な儀式だったのだとか。
風葬というのは、亡くなった人の遺骸を、
木の上に吊るして鳥に食べさせる埋葬法でして、
鳥が魂をあの世に運ぶという信仰とともに、
全国のあちこちにその痕跡が残っています。
つまり、事代主神は何も知らずに
のんびりと釣りをして遊んでいたわけではなく、
自らの死を予見したかのような神事を
執り行っていた可能性が高いのですね。