たびたび神社

ライターあかりの神社ブログ

鳥のあそび

2018-10-25 09:18:06 |  出雲の神話

<美保神社 みほじんじゃ>

 

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大国主神の返答を聞いたタケミカヅチは、
早速アメノトリフネを美保の岬に遣わし、
事代主神を呼び出して問いかけました。

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天上界の使者が迎えに来たとき、

事代主神は魚釣りをしていたとも、

鳥のあそびをしていたとも言われております。

目の前に自らの危機が迫っているというのに、

何とものん気な光景のようにも思えますが、

実は鳥のあそびと言うのは「神事」であり、

出雲地方の習俗である「風葬」

にもつながる神聖な儀式だったのだとか。

 

風葬というのは、亡くなった人の遺骸を、

木の上に吊るして鳥に食べさせる埋葬法でして、

鳥が魂をあの世に運ぶという信仰とともに、

全国のあちこちにその痕跡が残っています。

つまり、事代主神は何も知らずに

のんびりと釣りをして遊んでいたわけではなく、

自らの死を予見したかのような神事を

執り行っていた可能性が高いのですね。